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トホホな一日

昨年末、知人に誘われ、とあるパーティーに出席しました。私は親しい友人知人の結婚披露宴にも出席しないほどのパーティー嫌いです。それが原因で今まで沢山の友人を失いました。しかし、そんな事は屁とも思っていません。人の主体性や主義主張の多様性を認めないような輩とはつきあうつもりはありませんし、ましてや結婚披露宴に出なかったくらいで絶縁するような了見の狭い奴は此方から願い下げです。そんな私が、何故かパーティーに出席してしまったのです。今考えてもどうして出席してしまったのか自分でも判然としませんが、いくつか思い当たるふしはあります。先ず一つ、パーティーへの誘いの電話をもらった時、酷い宿酔で尚且つ考え事をしていた事。二つ、会場が神田で自室から近いため、ちょっと顔だけ出して逃げてくればいいや、と甘く考えていた事。三つ、私を誘った人はちょっとした人物で、さすがの私もついヒルンデしまった事。こんなところでしょうか。そして、、、、「もしもしJちゃん?御無沙汰してますー。あのさ、早速なんだけど今度神田でパーティーがあるんだ。是非来て欲しいんだよねー。Jちゃんに紹介したい人もいっぱい来るし。どう?」 「はぁー。神田ですか。」 「そうそう、神田神田。近いでしょ。是非是非」 「はぁー、うーん、なんのパーティーですか?」 「まぁとにかくさ、来て損はないから。きっと」 「そうですか、、、、、」 「じゃっ6時にXホテルね。名札用意しとくから!ヨロシクー」 「名札???」っとまぁ斯様な具合で半強制的に出席する事とあいなりました。パーティー当日、身支度を整えながら、なし崩し的に出席する事になってしまった事実を激しく後悔していました。会場に到着し、受付を済ませると件の名札を貰いました。{オンタリオSS XX XX}、だって。「これ、つけてください」 「これ?」 「そうです。皆さん初対面の方も多いでしょうから」 「ハイ、、、」 中に入ると、、、、(うわーっ、やっぱり立食だ。俺、長時間立ちっぱなしって苦手なんだよなぁ。電車とか乗ってもまっさきに座る方だし) バタフライをした妙に姿勢の良い慇懃な男がトレイに飲み物をのせて私に迫ってきました。「お飲み物はいかがでしょうか。」 「じゃ、ウィスキー下さい」 ナプキンを巻いたタンブラーに入ったウィスキーを受け取りました。(あぁーあ、俺、ウィスキーはストレートかロックが好きなんだよ。これ水割りじゃん。)「チビッ」 (ナンだこのウィスキー、激マズっ!しかも極ウスっ!俺、こう見えても酒にはうるさいんだケド。バルヴェニーのダブルウッドかメーカーズマークのゴールドトップ呑みてぇなあ。) 誰も知り合いのいない会場で、まずい水割りの入ったタンブラーを持ち、所在無くぽつねんと立っていると、私を誘った本人が満面の笑みをうかべて近づいて来ました。「いやー!どうもどうも!、Jちゃんが本当に来てくれるなんて奇跡だな。嬉しいなぁ、ありがとう!今夜は黒い雪が降るかもしれないな!ガハハハハァー!!今日は絶対最後まで居てよっ、絶対!」 「は、は、はい」 「じゃっまたあとで!」 彼はすごい勢いで近づき、すごい勢いで去って行きました。 (さてと、、、なんか食うかな) フードテーブルに行くと、ニギリ、サンドウィッチ、鶏のモモ、北京ダック、、、、、、お約束ですね。どれも既にパリパリのカサカサに乾いてしまって、とても食べる気になりません。だから、みんな全然食べてません。(もったいないなあ。これ結局全部捨ててしまうんだろうな。こんな出し方したら、どんな料理だって不味くなっちゃうもんな。) 私はテーブルの反対側にまわり、サラミとチェダーチーズを取りました。「チビチビ、カプッ、カプッ、チビチビ」 (早く帰りてぇな。でも絶対最後まで居ろって言ってたし、、、。しかしヒマだぞ) そうこうしているうちに、突如として会場のBGMが鳴り止み、やたらと体の引き締まった男達が5人ばかり颯爽と登場致しました。5人とも一様に大変厳しい表情をしております。5人は壇上に上がると、きれいに横一列に並び、来場者に深々と一礼致しました。そしてその叩頭した顔を上げるやいなやっ、!バサッ!! 今まで羽織っていた半纏のようなものを一斉に脱ぎ捨てました。あぁっ、フンドシ一丁です。彼らはクルリと翻り、既に壇上に並んでいた大きな日本太鼓を渾身の力を込めて甚だ激しくたたき始めました。「ドンガ、ドンガ、ドンガ、ドンガ、ドドンガ、ドンガ、ドンガ、、、、、、、、」 (なんだこりゃー!ウ、ウ、、うるせえーっ!!スゲーウルセエー!!頼むから今すぐやめてくれーっ!!!) 私の心の叫びは太鼓の鬼、五人衆には全く届きません。もうここぞとばかり、一心不乱に連打しています。「ドンガ、ドドンガ、ドドンガ、ドンガ、、、、、」 こうなったら私も壇上に駆け上がって、バチを奪い取り強引に競演しようかとも考えましたが、人品高潔な私にそんなことが出来る筈も御座いません。(そうだ!、この太鼓の鬼、五人衆が壮絶な乱れ打ちをしている間にどさくさに紛れて逃げ帰ってしまおう!) 私は不味い水割りの入ったタンブラーと、サラミとチーズの乗った小皿を手近なテーブルに討ち捨て、忍者走りで会場の外へ脱出しました。 (ふぅー、、、。あー参った参った。おぉー、恥ずかしいなぁ。パーティーの名札つけっぱなしだったよ) 私は歩きながら名札を外し、考えました。最近のパーティーは、ああいう催しが流行っているのかなあ。それにしてもうるさかった。何故ジャパニーズトラディショナルTバックを見なければならなかったのか、いまだに結論は出ていません。もうパーティーは本当にイカネ。絶対にイカネ。総理大臣に頼まれてもイカネ。 

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